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【県連合婦人会大会】
四月一日県会議事堂に於て開会
4月1日
神奈川県連合婦人会創立大会は四月一日午前十一時から県庁議事堂に於て挙行された。当日は県下七十五団体の代表者五百名を初め横山知事夫人須磨子女史.大久保学務部長 文部大臣代理東郷次官 島津治子女史等知名の士多数参列し、経過報告に次きて東郷次官.知事夫人の告辞来賓祝辞・会員代表答辞あり、休憩の後、午後一時から映画「皇国の栄」を映写し、東郷次官同会理事島津治子女史の講演あり、午後三時半閉会した。 (壇上は大日本連合婦人会々長島津女史)
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【教育に国境なし】
四月一日から支那児童も小学校へ入学出来る
4月2日
今迄は支那人の児童は日本人と同じ小学校に入学が出来なかつたが、四月一日から日本児童と同様に入学を許し「日支親善は子供から」と云ふ事となりお手々繋いで隣邦の子供は仲よく通学して居ます。 (写真は入学式当日の支那児童とお母さん)
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【輝ける国の礎石】
三名以上軍人を出した家庭の表彰式
4月4日
四日午前十時から県庁四階会議室で一家から三人以上の軍人を出した輝ける君国礎石を築ける家族の表彰式が行はれた。各市.長(ママ)村の代表者が栄ある式典に参列し忠誠に燃ゆる愛国心の発露として如何にも非常時に応しき光景であつた。
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【徳川家達公帰る】
国際親善の旅を終へて
4月5日
昨年八月老躯を押して五度目の外遊に上つた前貴族院議長徳川家達公は九ヶ月に亘り欧米各国を歴訪し講演に放送に寧日なき極めて忙しき旅を終へて、五日午後三時龍田丸で横浜に無事帰朝した。一行は令孫豊子嬢.山崎秘書.鈴木従者の四名で、岸壁へは公爵夫人.令息家正公使夫人.徳川頼貞侯.中川赤十字社副社長を初め知事.市長.税関長等出迎へた。公今次の旅行は全く個人的のものであつたが欧米各国をして日本を正確に認識せしめし功績多大なるものであつたと云はれて居る。
《解説》 徳川家達は徳川宗家16代当主。この時期日本赤十字社社長をつとめていた。
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【名優ブラウン夫妻と幼き音楽家姉妹】
4月6日
喜劇でお馴染のワーナー.ブラザースの百万弗珍スター.ジヨー.E.ブラウン君は日本観光の為め六日未明横浜入港のフーバー号で来朝した。役者だけに各方面から興味をそヽがれて居る。
宮本秀子(十一)さんはサンフランシスコで大平洋少女音楽競技会で第一等を獲得、爾後毎年三回一等賞を得、又妹の繁子(八)さんもヴアイオリンの天才でお父さんに伴はれて五日龍田丸で徳川公と同船して帰国した。近く母国でデビユーする事になつてゐる。
《解説》 ジョー・E・ブラウンはアメリカの喜劇映画俳優。1920年代から60年代まで活躍した。映画俳優の服装や髪形は、日本の都市文化に影響をあたえた。
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【サクラに憧れて豪華船ブリテン号】
…さくら音頭の真只中へ
三渡(ママ)目の入港…
4月8日
世界の巨船エム.プレス.オブ.ブリテン号(四二五〇〇噸)は本年度世界一週の最後の港ヨコハマに桜咲く頃を見計らつて八日早朝入港した。お客の顔振れは先づ三人の女学者やプリンス.プリンセスをはじめ金山王.銀山王等と云ふ弗の国らしいソウトウなのが四百六十六名。なかにもワーナー映画会社社長令嬢との新婚旅行の同社名監督レロイ氏などは「さくらの国ニツポン」に着くまでもなくすでに春よ春である。
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【盛大な花まつり】
きれいな稚児行列に花御輿の渡御
4月8日
各宗合同花まつりは八日午後一時行列の公園音楽堂到着後直ちに祝式に移り読経花供養や「甘茶」の潅仏を終つて後、参集の可愛い善男善女の童謡や舞踊等の法楽あり、次いで一般の礼拝を行つたが参会者約三千に及び盛大であつた。(写真は其の式場)
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【春風を孕んで!銀波を蹴って!】
陽光に燦やく春の海を行く白帆
4月9日
京浜在住の外人で組織されてゐるアマチユア.ロウイング倶楽部の連中。大分陽気がよくなつて来たので今月から毎土.日曜に腕に自信ある方々のお得意の操帆に根岸の海は賑はつてゐる。
(写真は其のヨツト.レース)
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【栄冠は遂に伝統を誇るY校ナインへ】
中等校野球决勝戦に新進工業潰滅す
4月10日
輝やく春の王座を目指して一旬日。制覇の運命を決するけふの優勝戦はフアンの興味と熱狂の裡に横商先攻を以て開始されたが強豪横商を迎へた新人(ママ)工業は善戦大いに追撃したが及ばず。十五対零のスコアにて遂に敗れて凱歌は高らかに横商にあがつた。
(写真は優勝の横商チーム)
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【初めて拝す東宮殿下の御尊影】
4月11日
皇太子殿下に畏くも御父母両陛下の限りなき御慈しみ。こよなき御愛撫の御もとに日に増し御成育遊ばされ、既に御誕生御百日目を迎へさせられ、四月五日は宮中三殿に初の御拝あらせられ給ふ。此の佳き日特に宮内省より各新聞.通信社に御貸下げに相成つた御写真であります。我等九千万民草のひとしく御待ち申上げたる殿下の初の御尊影を拝し奉るだに、まことに畏き極みであります。 (宮内省御貸下げ御近影)
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【ジヨホール国王御帰国】
--けふ秩父丸で
4月12日
御来遊中のジヨホール国王・サー・イブラヒム殿下には妃殿下御同伴にて「さくらニツポン」の春色を御満喫遊ばされ、昨十一日はヨコハマに成らせられ御名残の御一夜を「ホテル・ニユーグランド」に御過し遊ばされ、今十二日午後三時横浜解纜の秩父丸にて官民多数の奉送裡に御帰国遊ばされた。
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【大和心の一重咲いて】
……春はいま酣……
4月13日
「花は咲きも誇らず散りも始めず」と詠まれたきのふけふ。昼の烈しき音頭の声も絶えておぼろ日にぼんぼりのかすかにゆらぐ灯の中に、ほのかに浮出してゐる花の化粧も又一しほであらうと思はれる。
(写真は今見頃の三渓園の桜)
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【「練習船」を送り迎へる!!】 4月14日
四本マストに白塗の帆船が三隻も揃つたことは珍らしい。 十四日北米へ遠洋航海の途に上る文部省練習船日本丸.海王丸が横浜港七号八号岸壁に碇泊してゐる所へ、南洋から帰つた東京高等商船練習船大成丸が六号岸壁に繋留。春らしいなごやかな風景だった。
《解説》 日本丸・海王丸は昭和5年(1930)に進水した航海練習船。日本丸は引退後、桜木町の日本丸メモリアルパークに繋留・保存されている。
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