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【『オーライ』嬢のスタイル変る】
―市電女車掌の新規服装出来る―
10月1日
電車及バスの女車掌の服装は今回新しく制定したが今度出来上つたので一日より着用、市民の前にデビユーした。写真の通りシーク(ママ)なスタイルで襟元の蝶型のリボンや銀のボタンにも大いに新しい意匠が凝らされてゐる。 (写真は新型の女車掌達)
《解説》 女性車掌はこの年の6月に登場した(6月9日項参照)。写真は冬の制服。
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【危険なる木材のデツキ積】
―二汽船積荷を放棄して命からがら帰る―
10月2日
汽船の木材甲板積は従前より危険視されてゐたが、去る廿一日暴風雨に遭遇した山下汽船加州丸(五千二百噸)及北米エベレツトより木材積取を終へて帰航中同じく捲添へを喰つた川崎汽船玖馬丸(五.九〇〇噸)も、何れも木材デツキ積の為風浪を真横に受けて難航、船体が危険に瀕し遂にS.O.Sを発信するに至つたが、船長の決断に依て積荷を抛棄して危難を逃れたが、甲板上の諸器物を破壊してマストのレゲンは切断、デレツキやボートも流失し、舷縁は七十尺もあめの如く曲つて見るも悲惨な姿で二日午後入港したが、危険なデツキ積廃止の声は次第に高まりつゝある。 (写真は玖馬丸の被害)
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【「健康の秋」を讃ゑて!】
―第五回全国健康週間の催し―
10月3日
衛生協会主催全国健康週間は五日より公私の衛生、医薬其の他の公共団体参加してポスターの掲揚、講演会、映画の会の催し、各種相談所開設等によつて衛生思想の普及並に衛生実行に関する訓練を強調、徹底を期して邁進してゐる。 (写真は戸部署屋上から昇るアド・バルーン)
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【ハマの街頭に異国風俗】
―満州の祭礼着とスペインの晴着―
10月4日
市内をレビウで流行つたボレロの舞姿と満州のお祭り姿で練つて行く二人の女性、―これは某製菓会社のチエンストアーを廻るマネキン嬢でエキゾチツクな装ひで子供達にお菓子を売つて喜こばれてゐる、一人は舞踏の国スペインの全盛期一五一六年のオネツサン時代より現在まで使用されてゐるガリシヤ地方の華麗なもの、一人は一六一六年清朝時代満州人が支那全図を征服した時代のもので現今では祭礼衣服として用ひられてゐるものである。 (写真は向つて右スペイン、左満州の風俗)
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【政府に建議する『母性保護』の叫び】
―第五回六大都市及府県方面委員大会―
10月5日
六大都市包含府県方面委員代表協議会は五日午前九時から開港記念会館に第一日を開会、代表者百三十名出席大西市長・松前社会課長の挨拶、社会局長官・本県知事の祝辞等あり。協議に入り「母性保護制定の件」他四件を可決し、正午ニユーグランド・ホテルの午餐会に望み、夜は総持寺に招待されたが、第二日目は議事終了次第熱海に向ひ懇話会を開いた。 (写真は協議会場)
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【『スピード禍』の京浜国道】
―毎日必ず二・三の事故発生―
10月6日
交通機関の発達に伴ひ各種の交通事件も日毎に増して来るが、交通頻繁な国道では六日などは鶴見の汐見橋附近のトラツクの三重衝突を始め、神奈川九丁目の乗用車の正面衝突等あり、正に交通恐怖時代の観を呈してゐる。 (写真は六日午後二時神奈川九丁目で重傷者四名を出した正面衝突現場)
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【秋晴れの空に楽しい運動会】
―連雨の中の晴一日に各小学校で開催―
10月7日
長い降り続きが途切れてこゝ二日ばかり青く澄んだ青空に太陽の光が見られた、雨天順延してゐた各学校の運動会は一斉に催されてこども逵(ママ)も溌剌たる四肢を存分に伸し、賑やかな歓声を秋の天高く響かせて雨に閉ざされてゐた健康週間の最後を危くも飾つた。 (写真は間門校の運動会)
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【東洋の美術を求めて】
―ボストン美術館の冨田氏来る―
10月8日
十日夜バンクーバーより入港の氷川丸で米国ボストン美術館東洋部長富田幸次郎氏がハリエツト夫人同伴で十一年振りで帰朝したが、同氏は故郷である京都美術校出身、十七才で渡米岡倉覚三氏の跡をついでボストン美術館の東洋部長となり、夫人は同市名家の出で十一年前結婚したが東洋に対する趣味が深く、屡々各カレツヂ等で講演をしてゐる、冨田氏は今回同美術館が支那、シヤム、インド等の美術品を蒐集するだめ(ママ)購入役として各地に赴く筈である。
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【波穏やかな東京湾の船の旅】
―第一高女生房州鋸山へ―
10月9日
県立第一高女生一千名は船越校長に引卒(ママ)されて、十日午前七時横浜港内員桟橋まり(ママ)東京湾汽船菊丸に乗船、房州保田に上陸しそれより鋸山に登山、名所各地を遊覧して楽しい秋の一日を房総の風光を愛でて一周し、帰りは美しき夕景色の船路を鑑賞し乍ら同夜七時帰港した。 (写真に(ママ)菊丸上の女学生)
《解説》 「県立第一高女」は神奈川県立横浜第一高等女学校(現県立横浜平沼高校)。
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【珍プログラムでレビウ・ガールの運動会】
―野外レビウ展開されて鶴見に
時ならぬ花―
10月10日
松竹少女歌劇では生徒百五十名の運動会を十二日午前十時より花月園に於て開催したがフアン、後援会員、女学生等の応援もの凄く、珍プロにより珍プレイ続出して賑やかに午後三時終つたが、総持寺の若い坊さん逵(ママ)までが彼女等のサインを求めて押かける等、相当なもんであつた。 (写真はくたびれた彼女たち)
《解説》 松竹歌劇団は日本を代表する少女歌劇団で、戦前・戦後に絶大な人気を誇った。花月園内には少女歌劇の劇場があった。
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【帆走一万哩!練習船大成丸かへる】
―アメリカでは嬉しい歓迎攻め―
10月11-12日
アメリカ訪問中デツキから中継放送をした画期的の日米親善に寄与した東京高等商船学校大成丸(二.四〇〇噸)は、練習生七十名其の他五十余名の乗組員共一同元気で横浜桟橋に繋船したが、同船は去る六月十日機(ママ)浜出港、大圏コースを取りアリユーシアン群島方面より七月二十三日ポートランドに入港、此処の碇泊一週間の間に在留邦人の物凄い歓迎に一同も驚いたが同地中村領事を始めカーソン市長、ノートン商工会議所会頭の発議で同船々上で同市N.B.C.放送局中継で日米交歓放送を行つたが、其の反響で同船の参歓(ママ)者毎日三千名以上達し乗組員いづれも目の廻る程忙しく、大いに日本に対する米国民の関心を促し、又ハワイに向けて帆走中ヒユーストン号に坐乗せるルーズベルト米大統領との無電交歓等愉快なことばかりで全員大元気であつた 。(写真は横浜桟橋に横付の大成丸とポートランド市で放送中の関谷船長)
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【可愛らしい金魚の品評会】
―先着百名のフアンに金魚進呈して大人気―
10月13日
県市水産会並に横浜観魚会主催の神奈川県金魚品評会は野沢屋屋上に於て十三、四の両日催されたが、変つた奇魚珍魚を出品されて好天気に恵まれて非常な賑ひを呈したが、審査の上蘭鋳優等に櫻井氏輸出金魚に赤萩氏其の他入選者に賞品を授与した。 (写真はその会場の賑ひ)
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【壮烈を極めた深夜の市街戦】
―青訓三千堂々暁の閲兵式―
10月14日
「精鋭を誇る我が青訓義勇軍よ起て」の号令一下、市内卅五の公私青年訓練所三千名は十三日夜十二時直に動員、南北両軍に分れて集結、捜索の各演習の後午前二時遂に大岡川を挟んで各所に遭遇し、戦端は展かれ市街戦は随所はれるうち(ママ)北軍は漸次退却し、南軍之れを追撃して子安に至るや茲に北軍のに(ママ)行(ママ)大部隊救援して奮然逆襲に転じ、壮烈なる払暁の白兵戦に移らんとする刹那、喨々たる休戦ラツパは鳴り渡り、それより子安埋立地に全員集合し大西統監閲兵の下に大分列式を挙行した。 (写真は分列行進)
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【豪快!冬のスポーツ『銃猟』解禁さる】
―その日大衆猟天狗は総出動―
10月15日
狩猟天狗が待望の解禁日「十月十五日」が来て秋から冬への豪快なスポーツの幕はあがる。青磁の秋色にひゞきわたる魅惑的の銃声、ズドン!……バン・バンとあちこちの耕地に水辺に白煙銃口を拭つてあがれば軽快!ポインターは疾風の如く飛ぶ、愛銃を抱へ愛犬を撫すれば遥かな水島(ママ)の羽音に早くも初猟の功名に獲物の山を心に描く。 (写真は解禁の第一日城郷村篠原平野にて)
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